我山百感 我山百感
撮影協力:渋谷エクセルホテル東急 日本料理 旬彩
「唯一無二の時間」
第2回 おおくぼ かずよ/日本酒コンサルタント
 光に照らされ艶めきながら輝くグラスの中は果実を思わせる華やかな香りが満ちている。口に含むと繊細な米の旨味が優しく広がっていく。丁寧に造られた日本酒だけが持つ上質できめ細かな味わい。丁寧とは「注意深く心がゆきとどくこと」と辞書にあるが、まさに伝統の技と最新技術をもって、丁寧に米を酒へと昇華させる日本酒造り。先人から受け継がれた智慧と今を生きる造り手の想いが込められたひとしずくを感慨深く見つめるこのひとときは私にとって唯一無二の時間。
 「我山 純米大吟醸」。原料となる米は日本のグラン・クリュとも称される兵庫県特 A 地区の圃場で育てられた山田錦。朝晩の寒暖差があり、適度な風と日照量も十分なこの地区は、昔から最高品質の山田錦の産地として知られている。その米を贅沢にも 35%まで磨き上げ雑味となる部分を丹念に取り除き、純米ならではのふくよかさを携えた我山純米大吟醸はいつもの日常を特別なものへと変えてくれる。
おおくぼ かずよ
東京都出身。日本酒コンサルタント。イベントの司会やナレーター、皇室式典コンパニオンを経て、食の世界に入る。老舗寿司店にて海外イベントのコーディネートを担当し、日本文化や食に対する知識、見識を深める。現在、日本酒啓蒙活動に従事し、和食のみならず各国料理と日本酒とのマッチングを念頭に置き、有名レストランにて日本酒ディナーをプロデュース。同時に料飲専門各誌への寄稿や、主宰サロンにおいて新しいライフスタイルに合わせた日本酒の提案、ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」や各種セミナーにて多数の日本酒講座を担当。また、ツヴィーゼル社「ワイングラスで日本酒を愉しむ」グラス選定および監修もつとめる。